サルトーークアーカイブ
twitterなどで度々するエピソードトーク、何度も同じ話をするのでまとめてみようという試み。
#1 包丁を持たせてはいけない男
2003年4月、サルレター吉秋が中学生になった初日の出来事。
小学校を卒業し中学生になる少年吉秋。
環境の変化に不安と期待感の入り混じった緊張感を感じながら進学していくのが一般的だが、ただひたすら不安しかなかった。
この話を深く掘り返すともうひとつエピソードができるけど今回は割愛。
ざっくり説明すると学級崩壊を起こしている中学校へ進学をせざるを得ない、というあまりにも残酷な仕打ちを12歳の少年は受けていたのだった。
その中学校の制服を着て歩いているだけで、何か悪いことをしているのではないかと疑われるような生活をこれから3年間に渡ってすごさなければならない。
その渦中で俺は生きて帰ってくることができるのだろうか。
とにかく嫌で嫌で仕方が無かった。
A、B、C三つの小学校の生徒が通うことになる。
生徒の人数の割合で行くとA:B:Cで5:3:2ぐらいの割合だった。
吉秋少年はA小学校の生徒だったので、半数は知った顔だから、まだなんとかなると思っていた。
卒業の3ヶ月ほど前に中学校への見学会があり、絶望することになる。
30分ほど授業を見学して、放課後部活動の見学をして帰る。というスケジュールだった。
まず校舎のボロさが気になったが(ここも掘るとエピソード1個ぐらい出てくる)後ろの席の絵に描いたようなヤンキーに12歳の少年は心底嫌気が刺してしまう。
この中の誰かがああなるんか??と。
極めつけは、放課後の部活見学。
サッカー部の連中が見学中の小学生の列をゴールに見立ててシュート練習してきたの。
もうマジで無理、ここは墓場だ、俺は3年かけて骨を埋めるために通い続けるのか。
色々話を聞くと、どうもABCのうち人数の一番少ないCの小学校出身連中に精鋭が多いらしい。
もう同じ小学校の比較的仲良くしてる人間以外は全員小学生を的にするような人間しかいない。
そんな精神状態で俺は入学式を迎えた。
クラス発表があり、そこで当時最も仲良くしていたヤツと同じクラスになったことだけ安堵はしたが、残りの顔の知らない連中は全員かかわってはいけない人間に見えた。
こちらから話しかけることは永遠にないだろう・・
そう思っていたら、休み時間に前の席のヤツが振り返り急に話しかけてきた
「おう俺は卓沢(仮名)よろしくなっ!」
「あーサルレターやで、よろしく」
不良感は全く無いし、元気なヤツではある。
ノリがなんかわざとらしいけど、急に話しかけてきて何や・・
卓沢「オレに包丁を持たせるなよ?」
ぼく「・・なんで?」
卓沢「オレに包丁を持たせると人格が変わってな・・何をしでかすか分からんのだ」
え、こんなんも取り揃えてるん???
不安で不安で仕方なかった中学校への進学。
初日の一発目で別の不安要素入れてくる?
マジ??
というお話。
卓沢君(仮名)絡みのエピソードはいくつかあるけど、今回は登場編みたいな。
こんな感じで思いついたり、書く気になったときにエピソードトークをアーカイブしていこう。
という感じ。