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「鹿娘清美婚姻譚」感想

書名:鹿娘清美婚姻譚

作者:緒方 波子

出版社:エンターブレイン

ぶすぶす

以前紹介したぶすぶすの作者さんのもう一つの読み切り漫画。

というか、こっちのが先っぽい。

ぶすぶすは書店の新刊コーナーでの表紙買いだったからね。

単行本デビュー作か。

ぶすぶすと設定も何もかも違うけど、作風は変わらず。

鹿と人間が結婚しますよ。

というお話。

異種間婚姻は色々大変みたいだ。

それも、お見合い婚だ。

ラブストーリーというわけでもない。愛を感じるシーンもあるけど。

この作者さんの魅力というか、独特の雰囲気があって、それがすごく好みだ。

作中では登場人物というか、鹿の感情の起伏がすごかったりで、結構激しいシーンも多い。

よく怒るし、鹿。

でも、それなのに物語のペースというか、話の進み方のテンポは変わらず、一定のリズムを刻み続けているような印象を受ける。

こんなに激情をぶつけているのに、なぜこんなにおだやかな時間の流れを感じるのか。

淡々としているのに、内容は熱かったりする。

巻末の「魔女の台所」というオマケの作品もそういう感じだ。

鹿娘と設定も内容も全く異なる。

こっちはSFな感じが少しあって、非現実な現象が起こっている。

にも関わらず、同じリズムを刻んでいる。

って感じたのよ、少なくとも読んでいる時は。

全然ちゃうわ、ボケ。って言われたらこうべを垂れるしかない。

シュールを売りにした漫画というわけではないけど・・

非日常をごく当たり前に書いてしまうという感じなのだろうか。

まあ、鹿の方は絵としてシュールな場面が多々あるけど。普通にしゃべっとるし。

なんかええな!って思った漫画。

ええな!