またも中学エピだけど小ネタ
#6五百円玉を要求する男
出だしからこの話するにあたっての話でエピソードひとつ消化するな・・とかなんとか。
色々あって中学3年次のクラス編制が意図的としか思えないほど地獄絵図となっていて、完全に心の扉を閉ざしていた時代の話。
これはまた別でするとして・・
砂原(仮名)というふくよかなサイコパスみたいなクラスメイトがいた。
不良というわけでもなく、別に真面目なわけでもなく、何考えてるのかよくわからねぇヤツだった。
宿題やってこなかったらラグビー部に入部させる。
と、こわもての廃部危機のラグビー部顧問の英語教諭に宣言され、宿題をやってこなかったのでラグビー部に入部させられた男。
誰か特定の友人がいる様子も無く、口数も少ない男だったが何故か俺に絡んでくる。
どんな会話してたか殆ど覚えてないけど、唯一覚えているのが
「なぁ、五百円ちょうだい」
って何の前触れもなく言ってくること。
何やねんお前、なんで五百円あげなアカンねん、向こういっとけ
っていうやりとり、誰かが聞いてるわけでもなく、卒業まで一年ほどずっと続いた。
マジでそれだけの話。
卒業後、数年して砂原(仮名)を街で見かけた。
雨降りの日だった。
自転車の後ろに器用に傘を刺し、前は自分で挿し。
開いた傘を前後に1本ずつ装備しながらゆるやかな坂を下っていった。
その光景を2度見た。
彼は今五百円程度なら自由に扱えるようになっているのだろうか。
いや、すまない。
心底興味が無かった。
話数費やすような話じゃなかったね
「五百円ちょうだい」
って急に言って来るヤツがおった。
ただそれだけの話だ。