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サルトーークアーカイブ #4実現不可能な公約を掲げてしまう男

今回は軽く、#3まで出演していた卓沢君の絡む話を一度やめておこうという試み

 

#4実現不可能な公約を掲げてしまう男

 

「俺はクラス全員と友達になる!!」

 

中学3年の春、高らかに宣言する一人の男。

3年次に立てる目標か?と思いつつ、隣でそれを聞いていた友人がポツリ

 

「俺が折る限り絶対無理やんけ」

 

かくして、彼の目標は立てた瞬間に実現不可能となってしまったのであった。

 

この話は当時の現実でのテンポが良すぎて今でも印象に残っている話。

話としてはもうこれで終わりなんだけど、少し彼絡みの話もあるのでする。

 

彼が見てほしかったもの

「みんないくで~~!!」

もう経緯も理由も思い出せないが、とにかく彼がまた高らかに宣言したのだ。

声があがったので、見てみると彼は給食で出てきたデザートのリンゴを一口で食べようと試みていた。

教壇の前で口いっぱいにりんごを含む彼。

ある意味彼をキッカケにクラスに団結力のようなものが生まれた瞬間だった。

思い返すと人がこんなに哀れな瞬間があっただろうかと思う。

 

ヤンキーは本質を突いてしまうという風潮

クラス全員と友達になりたかった彼は真面目でもなんでもなくて、授業の妨げになるようなありふれた問題のある生徒だった。

ヤンキーというほどヤンキーでもないし、でも問題児ではあるし、みたいな。

うっとうしいお調子者みたいな感じ。

まあでも、ヤンキーとはよく遊んでるみたいやし仲良くしとるんやろ、と思ってたけど違っていた模様。

 

体育でサッカーをしていたときだ。

これもひと悶着あるんだけど、とにかくこの中学校の体育の授業は参加しない方針を打ち立てた僕は、花壇にたたずんでいた。

そうすると、特に理由も無く授業をサボるヤンキーが隣に来たのだ。

話かけてくんなよ、お前らと違ってこっちは信念でサボっとんねんボケが。

とか思ってたら

 

「こっちこっちー!パス!パス!!!」

 

と相変わらずクラスのムードメイカーをかってでる、クラス全員と友達になりたい男。

そんな風景を見て、ヤンキーが急に話かけてきた

 

「アイツムカツクねん、ホンマ」

僕は静かに賛同した

「周りでチョロチョロしてっけど・・アイツ友達おらんやろ」

僕は静かに爆笑した

「今度近づいてきたらシメたろ」

 

近づいてしまったのか、1週間ぐらいはおとなしい時期があった。

 

思い返すとやはり哀れなのだが、いたし方が無い。

誰からも賛同を受けていないのに、クラスの人気者がやる振る舞いだけをするような男だったから。

あとビジュアルも焼きおにぎりみたいだったからというのもあるだろう。

彼が今どういう交友関係を築いているかは分からない。

 

卒業してから数年。

まだ前略プロフィールというサイトが生きをしていた頃。

なんとなく中学時代の野郎がおるか??と検索をかけたらヒットしてしまった。

 

「学校のヤツ全員と友達なる!みんな絡んでや!!」

 

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